2008年04月29日

鈴木オートはいま

 どうなっているのだろうかと思うことがあります。ご存知の方にはおなじみの「三丁目の夕日」の舞台となった東京下町の自動車修理工場です。お父さんの夢は大きなビルを作ってそこを本社にということだったようです。
 モータリゼーションの波にうまく乗れれば、自動車メーカーのディーラーとなってビルも夢ではないかもしれません。勤勉なお父さんのことですからきっとと思いたいのですが、まじめに働くだけでは成功するわけにはいかないのが今の世の中です。もしかしたら、時代の波には乗り切れず、未だに鈴木オートとして下町の修理工場のままなのかもしれません。
 生業と書いてなりわいと読ませます。自動車の修理工であれ、大工さんであれ、お百姓であれみんななんらかのなりわいを持っていて、そんなものを身につけておけばなんとか生活が成り立った時代がありました。
 カメラマンとかデザイナーとかいったカタカナのなりわいをもつ人だって、ぜいたくをいわなければそれで暮らしていけたのです。商人もしかりです。
 しかし、いまわたしのまわりにいるいわゆる自営業者という人たち、カメラマンとか店を開いている人とか、そんな人たちの多くがダブルワーカーになっています。本業だけでは食えないので、生活を維持するためにいろいろなアルバイトをしているのです。しかも、彼らは勤め人の世界でいったら管理職になるような年頃の人たちです。
 彼らはおそらく若いとき「鶏頭となるとも牛後となるなかれ」とか、自分は勤め人には向いていないからとかいうような理由で自営となってがんばってきた人たちです。
 今朝の信濃毎日新聞に明日松本で、非正規雇用の労働者のメーデーがあるという記事をみつけました。彼らの待遇改善も大きな課題でしょうが、本業で生活できる世の中であってほしいというのも切実な願いです。



Posted by 南宜堂 at 21:40│Comments(0)

 
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