2013年03月20日

3月20日の記事

さきほど夕食を食べながらテレビを見ていたら、「にっぽん紀行 大阪発人気集めるラブレター89歳・古書店主の青春」。古書店主につられて最後まで見てしまった。大坂の青空書房という古書店の話。亡くなった奥さんに書く絵手紙は、毎週定休日にお休みしますという文字とともにシャッターに張り出される。自然で衒いがなく素直に奥さんへの思いを書ける89歳が素晴らしい。

その前のニュースでは、初心者向けの投資セミナーに5000人も集まったという話題を放送していた。アベノミクスで株価が上がっているので、資産の倍増を狙うのだという。貧乏人には無縁の話だが、私はバブルの時代を思い出した。土地を買ったり美術品を買ったり、企業が家業以外で資産を増やしていた時代だ。個人もまた土地を買ったり株を買ったりして金儲けに励んでいた。私の考えが古いのかも知れないが、額に汗して働いて稼がないでお金を右から左に動かすだけで何倍にも増やすのって大丈夫なのかなと思ったものだった。

例えば、靴職人であれば材料の皮を買ってきて加工を施して靴にして売る。その時自分たちの労働分として儲けを上乗せする。古本屋であれば、仕入れ値に儲けを加えて売る。稼ぐというのはそういうことではないかと思っていた。それが何倍もの利益を上乗せしたり、相場が上がったことで莫大な利益を得たり、そういうことが当たり前のこととして通用したりすれば、まともに働くことなどばからしくなるのではないか。企業だってモノを作って売るよりも儲かるのなら、ばからしくてモノなど作っていられないのではないか。



Posted by 南宜堂 at 21:53│Comments(0)

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。