2008年07月21日
いつ頃の地図でしょう?
トイーゴ(個人的には書くのも口に出すのも恥ずかしい言葉ですが)の裏道にあった看板地図です
左端が中央通り、右端が千歳町通り、下が昭和通りです。丸光そごう長野店とありますから、長野そごうになる前です。
中央通り沿いの店はほとんどなくなってしまいました。岡田時計店は昭和初期の看板建築の面影を残した店でした。おおた化粧品店はもともとは農機具店だったようです。おかあさんの店シマヤ、そば餅の玉屋。
丸光の前で香ばしいにおいをさせていた甘栗太郎、隣は鶏肉屋さんでした。ドンクは神戸のパン屋です。京都白川通にあった店には時々行きました。朝湯で有名な千歳湯もここでは健在です。
2008年の運命を知るべくもないこの店店は、7月21日の朝も一日の商売繁盛を祈って店を開けることでしょう。丸光の若い社員の人たちは出勤前のひととき喫茶店の片隅で煙草をくゆらせたり、徹夜麻雀の眠気を一杯のコーヒーで振り払おうとしているのかも知れません。
近代化とか時代の流れとかいうものが避けることのできない宿命というものであると考える立場からは、これは感傷でありアナクロニズムです。しかし、SFの世界でいうパラレルワールドというのがあって、この地図の世界が健在で、個人商店や地方百貨店や喫茶店や銭湯がにぎわっている情景を見ることができたら楽しいなとも思うのです。
Posted by 南宜堂 at 08:43│Comments(0)