2009年01月18日

むかしはよかった

 などと言うと、また年寄りの繰り言かなどと眉をひそめられそうですが、そう思うことが多いこのごろです。いえ、別にむかしの方が人情があったとか、若い者がしっかりしていたなどと言うつもりはありません。どんな時代でも人情紙風船の世知辛さはありますし、今だってしっかりした若者がたくさんいます。どちらかというと制度というか仕組みの問題です。
 たとえば大工さんにしても、今は大手の工務店からプレハブの組み立ての仕事なんかが多くなったと聞きます。自分で施主と話して進めるようなリスクはなくなりましたが、これは請負です。小売業もスーパーに押され、コンビニに押され、どうやっても立ちゆかなくなった業種が多くあります。
 雇われている方がリスクが少なくていいじゃないか、そうも思いますが、マルクスの言うところの、生産手段も原料もすべて資本家に押さえられてしまった労働は味気ないものです。資本主義というのは発展していけばどうしてもこういう形にならざるをえないわけで、私たちは否応もなくこの仕組みの中にのみこまれてしまっています。
 ただ最近新しい動きが出ているようにも思います。脱サラして移動販売をしている人のレポートを見ました。お年寄りが増え、限界集落といわれる地区がどんどんと生まれている今、足のないお年寄りのための商売は儲からないようですが、やりがいはあるようです。



Posted by 南宜堂 at 23:43│Comments(0)

 
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