2007年06月20日

近藤勇の像

 京都壬生寺の境内に近藤勇の銅像が立っています。胸から上だけですから胸像といっていいのかもしれません。壬生寺は壬生狂言で有名な寺ですが、近くに新選組の屯所があったことから、境内で隊士たちが剣術の稽古なんかをしたということで、新選組ファンにはなじみの場所です。
 この像を立てたのが上田吉二郎だということを聞いたことがあります。上田吉二郎といっても、今の若い人は知らないかもしれませんね。かつての時代劇には欠かせない悪役で、独特のだみ声で「野郎どもやっちめえ」という口癖は、ものまねなんかでもよく取り上げられていました。彼は近藤勇が好きだったのでしょう。
 栗塚旭の土方歳三で一世を風靡したテレビ映画「燃えよ剣」では、若くして亡くなった舟橋元が近藤を演じていました。役所広司の土方が話題となったテレビ東京の「燃えよ剣」では最近亡くなった石立鉄男が近藤を好演していたと思います。香取慎吾の近藤はかっこよすぎました。
 司馬遼太郎の描く近藤勇は、優柔不断で誰にもいい顔をしたがるあまりリーダーには向かない男のように思います。私は近藤のエピソードで好きなのは大福が好物だったというのと、愛読書は頼山陽の「大日本史」だというところです。ちょっと背伸びしている人のいいおじさんというイメージではないですか。
 上田吉二郎という役者はどんな悪役をやっても憎めないキャラクターでした。この人に一度近藤勇を演らせてみたかったような気がします。その時の土方は是非成田三樹夫なんかがうってつけなのではないでしょうか。この人も悪役でしたが、上田とは正反対でまったく愛嬌のない悪役でした。そういえば、成田は竹脇無我主演の「鞍馬天狗」で土方をやっているそうです。どんな土方か想像ができます。



Posted by 南宜堂 at 23:34│Comments(0)

 
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