2007年07月19日

はじめてを見に行く 上水道


 城山公園にある大噴水は、長野市の上水道の完成を記念してつくられたものです。当時は東洋一ということで市民の自慢でした。今でも変わらぬ姿で公園のシンボルとなっています。
 長野市に上水道が完成し、給水がはじまったのは大正14年4月のことでした。日本で最初に水道が完成したのは、明治20年の横浜ですから、それから四半世紀の間をおいて長野にも水道が使えるようになったわけです。
 もともと長野は水の便の悪いところであったようで、権堂の料理屋でさえ数軒が協同で井戸を掘って使っていたといいます。長野市では明治42年に水道調査部を発足させ、水源の調査に着手しました。候補となったのは戸隠と野尻湖の水でした。最終的には戸隠を水源にすることが決定され、大正2年に工事がはじまりました。計画では、戸隠の瑪瑙沢の水を中社の東谷に貯め、さらにコンクリート管で芋井までおろし、往生地の浄水場から鉄管で長野市内に給水するというもので、全長は12キロにおよんでいました。
 トラックも重機もない時代の工事にはもっぱら荷馬車が使われました。この工事は冬場は積雪のため中断せざるをえず、2年の歳月を費やし合計で85万円の費用がかかりました。
 この時給水した家庭は、長野市の全所帯7615戸のうち、2615戸、1万2100人の人が水道の水を飲むことができるようになりました。1ヵ月の水道料は一律80銭でした。はじめてを見に行く 上水道



Posted by 南宜堂 at 22:10│Comments(2)

この記事へのコメント

城山公園の噴水、小さな頃から大好きでした。
噴水が止まっている日があるのですが、どういう日に止まったり、水が出たりするのでしょうか?曜日や天候など決まりがあるのでしょうか?冬は止まっていますよね。。。。上水道の記念に作られたのですね。。初めて知りました。
新潟地震でも水の確保が一番大変とのこと。。安心して飲める水道の象徴として城山公園の噴水はいつまでも続いて欲しいものです。
長野の水はおいしいと思います。。
Posted by みうみうBETTY at 2007年07月20日 00:11
 戸隠が水源の長野の水道水をペットボトルにして販売するのだそうです。同じ長野の水道水でも犀川の水の方が味が落ちるのかもしれませんね。犀川浄水場の構内に水道資料館があって、これがなかなか風情ある建物です。何かの機会に写真を紹介しましょう。
Posted by 南宜堂 at 2007年07月20日 21:04

 
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