2007年09月14日

井上醸造


 妻科にある味噌屋さんという知識しかなかったのですが、今日ホームページを拝見していろいろなことを教えていただきました。私がこの味噌屋さんに興味をもったのは、たたずまいが気に入ったからです。広い空き地があってそこに大きな味噌樽が無造作に置かれている。大きなケヤキの木の下に昔の農家のような感じでその店はあったのです。
 その時私は田中冬二の妻科の家を探していました。庭先を掃除していたご婦人に「むかしこのへんに住んでいた云々」と尋ねましたら、「そういえば、妻科に住んだ偉い人の家の跡があった」と言ってその場所を親切に教えていただいたのです。行ってみるとそこは浅井洌と北村季晴の家の跡でした。まあその場所も知りたかったのでありがたかったわけです。
 井上醸造の店は長野市の景観賞を受賞していました。そしてこの店は100%国産の大豆を使って昔ながらの製法にこだわった味噌を造る店なのです。
「私たちが伝えたいこと・・・
創業以来100有余年、井上醸造は一度たりともこのやり方を変えたことがない。
“スローフード”や“ロハス”といったライフスタイルが志向される現在、再び“手造り天然醸造”が見直され、復活させている醸造元もあるようだが、おそらく高度成長期の大量生産が良しとされた時代に、黙々と手造りにこだわり、その製法を守り続けて来たところは、ほんの一握りではないかと思う。
ありがたいことに、うちの先代はこのやり方を変えずに、そのまま自分に引き継いでくれた。こんなに感謝することはない。
井上醸造には、頑なに守り続けてきたという“自信と誇り”がある。
だからこそ、こんな味噌屋があるということを知っていただきたい。そして、一度うちの味噌を味わっていただきたい。井上醸造 四代目 主人 井上 元 」
 「豊穣」という味噌が1キログラム840円とあります。食べたことのない身としては論評のしようがないのですが、味噌の値段としては私たちがふだんスーパーなんかで目にするものにくらべたら高いという気がします。どんなものでもそうなのですが、天然とか手作りとかいわれるものはどれも値段が高いのです。昔からの方法を、この機械化され省力化された資本主義社会の中で保ちつづけているのですから高いのは当然と思うのですが、昔は誰もが簡単に食べられ手に入ったものが、どうして今ではなかなか買えないものになってしまったんだろう。素朴な疑問ですが、味噌に限らず思ってしまいます。



井上醸造



Posted by 南宜堂 at 00:36│Comments(2)

この記事へのコメント

こちらのお味噌は、母の頂き物をお裾分けしてもらって(^o^)
味わったことがあります。それから、以前、東急地下の入り口の期間限定売り場に醤油豆やお味噌を売りにきていて、「しょうゆ豆」を買い求めてみたことがあります。ふだん「しょうゆ豆」はあまり買ったりしないのですが、このお店のものだったので、食べてみたかったのと、やはりあまり数もなくて幻の一品!だとお聞きしたからです。お味噌もしょうゆ豆もとてもおいしかったです。
景観賞を受賞した記事も読みました。1度近くを通ったときお店を見たことがあります。路地の奥に別世界が広がっているようでした。
Posted by みうみうBETTY at 2007年09月14日 06:38
みうみうBETTYさま
 ホームページで見ますと「しょうゆ豆」は現在売れ切れのようですね。大量生産ができないので仕方ないのでしょう。
 井上醸造も、「あの町この町」で紹介されていた飯島商店もそうなんですが、こつこつと控えめにつくっているものよりも、テレビなんかで取り上げられたり大量に宣伝しているものが売れている現実というのはどうなんでしょうか。私たち消費者に見識がないのも原因なのかもしれません。
 寒天、凍み豆腐、きのこ、納豆など昔の味とは似て非なるものになっています。今のこどもたちがそれが元の味だと思っているのでしょうね。
Posted by 南宜堂 at 2007年09月14日 08:43

 
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