2011年04月03日

自衛隊は軍隊だ

テレビや新聞で知る限りにおいては、このたびの震災における自衛隊員の活躍はすばらしいものである。行方不明者の捜索、物資の輸送、瓦礫の撤去と、その活動は多くの被災者から感謝をされているという。
そのせいだろうか、防衛大の卒業式に防衛省の入省式にと、その姿がメディアを通して流されることが頻繁である。
大災害における人命の救助や復興は自衛隊の任務の一つであろう。しかし、自衛隊は一義的には軍隊である。有事の際の戦争の遂行がその一義的な任務なのである。
自衛隊は日本国憲法、特にその9条により違憲か合憲かの議論にさらされてきた。その存在をめぐっても、国民の意見は大きく2分されてきたという歴史もある。
日本国憲法では、紛争の解決の手段として武力の行使を禁じている。その意味では自衛隊は憲法違反である。しかし歴代の内閣は自衛のための武力の行使は許されるのであり、その限りにおいては自衛隊の存在は許されるのだという見解を取り続けてきた。
そんな中での今回の事態は自衛隊を大いに勇気づけたことであろう。しかし、同じことを繰り返すようだが、自衛隊は軍隊であり、侵略者やテロリストであっても、人を殺すのが大きな任務なのだ。
災害救助の側面だけを見て総体としての自衛隊を評価することは誤りである。戦争の遂行のための武力行使という一義的な側面も見た上でその存在を評価すべきだろう。



Posted by 南宜堂 at 04:41│Comments(0)
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