2011年06月28日

会津へ 第2日目

肝心の会津での一箱古本市当日、朝から雨で最悪のコンデションでの開催となった。それでもスタッフの皆さんはテキパキと動き、出店された人たちも楽しい人ばかりで、気持ちのいい1日であった。
今まで会津というと戊辰戦争関係の取材や史跡巡りでしか訪れてこなかったのだが、また別の面の会津を見たようであった。
前日の夜、寝る前に読む本でもと、ホテルの近くの蔦屋にいった。ここは確か以前はデパートのあった場所で、ここの2フロアーに蔦屋書店がテナントで入っていた。土曜日の夜7時ころだったが売場は閑散としていて客がほとんどいない。周辺の道路も人通りがなかった。
飲食店も物販店もほとんどが郊外に集中してしまって、中心部はがらんとしているというのは日本全国の地方都市に見られる現象だが、会津もご多聞にもれずであった。
郊外の飲食店や物販店がほとんどよそからの資本な わけだから、地方経済は疲弊するはずだ。今回の会津でのイベントも、町の中心部を元気にしようという目的もあったと思う。

実は会津には戊辰戦争という大きな観光資源がある。それを利用して観光客を呼んできたという経緯もあった。もう歴史となった昔の戦争なのだからそのことは悪いことではないと思う。だが、会津藩の什の掟や白虎隊の悲劇を持ち出して、ことさらに精神性を強調する観光は今の時代にはそぐわない。
会津士魂という言葉がある。武士だけが持つ会津魂ということか。それはそれで崇高なものなのだろうが、一方で厳しい百姓への収奪の上に会津士魂が成り立っていたのもまた事実である。
厳しい身分制度のもと、強いものにはへつらい、弱いものには居丈高になるという精神の延長が会津士魂ならば、そんなものは見習う必要はない。
会津には長年にわたって築き上げてきた、細やかな人情と豊かな衣食住の文化がある。もっとそちらをアピールしていったらいいのにと思う。



Posted by 南宜堂 at 03:05│Comments(0)

 
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