2008年02月19日

知らない事

 沖縄の少女暴行事件のことを書いていて、ずっと頭を去らないことがありました。それは次のようなことです。
「沖縄本島にある米軍基地の用地は、その64パーセントが私有地と市町村用地である。これらの土地を日本政府が借地料を払って借り上げ、軍用地としてアメリカに無償で提供している。(中略)借地料総額は年間821億円。これが地主である個人、市町村に支払われている。」(高橋秀実「からくり民主主義」)借地料は個人によって差があるわけですか、だいたい平均して年間200万円くらいの収入になるということです。
 政府が日米同盟の重要性を強調し、沖縄の米軍基地への理解を求めたところで、県民はそんな迷惑施設に納得するわけはないのですが、こういう現実を知らされると、生活かかっているから声高には反対はできないし、現実に基地を返されても困る人がほとんどなのだということがわかってきます。

 構図は違いますが、岩国の米軍基地と国からの交付金の問題、原発と地元の問題と疲弊した地方をめぐるジレンマがこの国のいたるところにあるということです。これはもう思想の対立なんてものではなく、食べていけるかどうかという対立になってしまっているのです。
 それだから米軍基地があるのは仕方がないんだと言ってしまうのか、ひもじい思いをしても自分の意志は貫くべきと考えるのか、ひとつの結論に集約できない問題であるとは思うものの、自分の中では生き方の問題として何らかの結論を出さなければならないわけです。



Posted by 南宜堂 at 00:27│Comments(0)

 
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