2010年05月29日

ネット社会の非常識 モラル

 「モラル(moral)」というのは、道徳とか倫理と訳されるが、例の団体がこんなモラルを掲げている。

○○研究会のモラル。
会の運営を混乱させる誹謗や中傷をしない。
会の秩序維持に協力する。
これが最低の条件です。
上記の会則に違反した方は、退会して頂く事になります。
また、思想心情ママの異なる方の入会はお断りします。
○○研究会

 こういう幼稚なものにコメントを加えるのも時間の無駄のような気もするのだが、行きがかり上。
 まず、このモラルには基準がないということである。社会常識とか通念を基準にするのだということなのかもしれないのだが、主宰者と取り巻きは一度投稿を勝手に削除したという前科をもっている。
 そのとき、社会常識というものに照らして批判した意見がずいぶんあった。そういう前科がある者たちにモラルといわれても、正直何をいまさらということになる。
 私が信頼するある友人が、主宰者とその取り巻きのことを「自分の世界だけで生きている人たち」という風に評していたが、このモラルを見るとまさにその通り、言い得て妙という気がする。
 自分の世界だけで生きている人たちに基準はいらない。自分の思いが基準なのである。だから「思想心情ママの異なる方の入会はお断りします。」いう言い方にもなるのだろう。ここにも誰と異なるのかということが書かれていない。先ほどの友人の言葉を借りれば、「私の世界と、思想心情ママの異なる方の入会はお断りします。」ということになろう。
 私たちは自分の考えというものを、いろいろな角度から眺めて、つまり一度相対化して、それが正しいかどうかを確かめるという操作を行う。そのために本を読んだり、テレビでコメンテーターと称する人たちの話を聞いたりするのである。
 冒頭に幼稚と言ったが、まさに幼児の世界というのは自分が基準の世界なのである。だから幼児性が抜けないとは、自分が一番偉いと思っている人や、自分だけが苦労していると思っている人や、自分だけが正しいことをしていると思っている人のことなのである。


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Posted by 南宜堂 at 21:19│Comments(2)ネット社会

この記事へのコメント

南宜堂さまへ
なんとも思考停止を求めたわかりやすい会則なのでしょうね。
私の知るとある会では
多くの「ナントカ長」という肩書きのつく人が大勢いました。
なにやら「長」をつけるのがひとつの 会の特典みたいに
多くの「長」が存在していと記憶しています。
いちいち全部を覚えきれないほどいろんな種類「ナントカ長」の役職がありました。
「ナントカ長」の名称を考えた人は相当苦労して生み出したのか、必要のために「ナントカ長」が存在したのかは知りませんが、
会員に対して何人「長」のつく「幹部」がいるのだろうかと思いました。

そう思うとなにやら子供の言葉世界ナントカゴッコみたいな「幼稚な」印象をもった記憶があります。
Posted by 南陽 at 2010年06月15日 19:27
南陽さま
コメントありがとうございます。趣味の会といえども社会の縮図ですからなんとか長を設けたり会則を作ってみたりしないと治まりがつかないのでしょう。
それは必要なこととは思いますが、必要以上に幹部を増やしたり、常識に外れた会則を作ったりするのはいただけませんね。
指導者の見識が高ければこんなことは起こらないでしょうにと思います。
Posted by 南宜堂南宜堂 at 2010年06月15日 21:22
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