2011年12月08日

イナガキタルホ、ふたたび

「コタニ・プレイズ・タルホ」については、「つん堂@tundou日記」にも紹介していただいているが、その辺の経緯を詳しく。
しばらく前のことである。私は日記をつけるという習慣がないので、詳しい日付は憶えていないのだが、コタニさんという下諏訪から来られた方がおられた。何でもネットで「イナガキタルホ」を検索したら南宜堂のブログに行きついて、南宜堂が長野で古本屋をやっていることを知ったので訪ねてきたのだということであった。
 コタニさんは何十年来の稲垣足穂の読者で、長いことかかってタルホの全著作を集められた。それと遺族からお借りした遺品、タルホにインスピレーションを得て制作したドローイングなどを展示した展覧会を奈良県の大和郡山市で開いた。その図録を作ったので行商に来たのだということであった。
 長野でタルホのことを話題にしてくれる人がいるとは思わなかったので、うれしくて真っ先にウチの店にきてくれたということであった。もとより私は稲垣足穂のことは何も知らない。商売柄店で売ってるだけという古本屋のオヤジである。それでも遠い道のりわざわざ光風舎に来るために来ていただいたという。何も知らないが最初の景気づけと少部数だが買わせていただいたという経緯である。
 それをつん堂さんが見つけて買っていただいた。さらにはブログで宣伝までしていただいた。私はそのうちタルホの好きな人が来たらお勧めしようくらいに思っていたのだが、早く売れるのはありがたい。ご希望の方には送料サービス、1冊1001円でお送りします。
 この商売をしていてつくづく縁というものを感じている。つん堂さんが今年の厳冬に初めて光風舎を訪れ、あまりの寒さに印象に残り、時々来ていただくのも縁だし、たまたまブログを見たコタニさんが来ていただいたのも縁である。こういう縁が商売の助けになっているわけではないが、少なくとも明日も店を開けようという背中を押してくれる力にはなっていると思う。
 クリスマスを前に、感傷的なブログになりました。


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Posted by 南宜堂 at 23:52│Comments(0)古本屋の日々

 
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