2011年12月26日

古本ナイアガラに行く。

 行きたいと思っていた盛林堂書店と、そこで開かれている催し古本ナイアガラに行ってきた。古本ナイアガラとはなんぞやということは前にブログに書いた。
 午後から歴史関係の仲間の史跡めぐりと忘年会が予定されていたので、午前中に西荻窪に向かった。午前10時半の開店とあったので、そのくらいの時間に店頭に着いたのだがまだ準備中、しばらく待ってほしいということで近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら時間をつぶすことにする。
 店主とおぼしき人と奥さんとおぼしき人で均一台に本を並べておられた。一冊一冊丁寧に並べている。出しっぱなしのウチの店とは大違い。古本に対する敬愛の念が違うのだろう。それは店内に並べられている本についても同じだった。単行本のほとんどにグラシンが掛けられている。
 11時ころに再訪、今度は開店していた。店内は両端に本棚、そして真ん中に背中合わせの本棚、正面に帳場といういたってシンプルな構成、店内はきちんと整頓されていた。ここも我が店とは違うなあ。
 グラシン紙を掛けられた文芸書の単行本がずらっと並ぶ。これは壮観なのだが、背文字がグラシンに霞んでよく読み取れない。こちらが文芸書にあまり興味がないせいと、年のせいで目が霞んでいるからかもしれないが、これは疲れる。それと、全体を見渡すと乳白色の壁を見ているようで、本の背の個性を読み取ることができないのも残念だ。
 最近はグラシン紙を掛けられた古本が目につくようになって、ウチの店でも考えないといけないかなと思っている。本を保護する、美しく見せるという点では効果的だが、これが書棚一面に並ぶと本の個性が目立たなくなってしまう。一長一短である。
 さて、古本ナイアガラである。出店者の皆さんのブログを読むと、大いに悩んで並べる本を選んでいるようだ。実際に見るとそのことはよくわかる。私たちのようにある本をただ並べるというのとは違う。十数冊の本の中に店主の個性とこだわりを表すのはたいへんだ。
 私が少し知っているつん堂さん、四谷書房さん、古本ツアーさんの棚を見ると、それぞれの個性がなんとなく感じられておもしろい。これは古本の販売イベントというよりは、古本好きのミニ個展ともいうべき催しかなと思った。
 ナイアガラの本棚とお店の本棚から3冊買わせていただいた。
・坪内祐三 古本的
・坪内祐三 新書百冊
今更ながらに古本の勉強の必要性を感じているから。
・小沢信男 小説昭和十一年
小説は読まないが、この年は二・二六事件の年である。



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Posted by 南宜堂 at 12:58│Comments(0)古本屋の日々

 
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