2012年03月07日

続 町の古本屋考

久しぶりにつん堂さんがお見えになり、つん堂棚の2月の精算を行った。いや、何度も来ていただいていたが、私が留守にしていてお会いできなかったのである。さんざんな成績で恐縮する。とにかく2月の店売りは休んでいた方がいいくらいに悪かったのです。
今月から5割引で行きましょうとということになっていたのだが、そのせいか3月は好調である。割引の必要のない貴重な本も多数あるのだが、とにかくここで棚を一新したいというつん堂さんのご希望でお得なセールとなった次第。
この先どこまで店売りが続けられるのかという情けない話も出たのだが、実際にネットを抜きにして地方の古本屋の経営は成り立たないというのは、先日書いたとおりである。
そうしたら、追分コロニーの斎藤さんがご自身のブログで、「古本屋が生き残る道はNPOしかない」と書かれている。つまり「ビジネスとしては儲からないが、少数のグループなど一定のニーズがある活動は、その活動を維持していくコストをメンバーが負担して維持していく」というのである。
大胆な提案で、古本屋が生き延びる方法としては非常に魅力的だとは思うが、私はこの提案には懐疑的である。そうやって維持されている古本屋が出来たとして、それは私たちが行きたい古本屋なのかどうか疑問だからだ。古本屋というのは店主のこだわりというのが相当に前面に出た商売なのではないだろうか。私が追分コロニーを好きなのは、その品揃え、店の雰囲気、立地が好きなのだ。その店の全体像というのは、さまざまの条件の中で作り上げてられてきたもので、それが魅力となってお客さんが来てくれるのだと思う。経営が難しいからといって他者が手を出せるようなものではない気がする。
ブックオフの攻勢やネット販売の普及、顧客の低価格志向で町の古本屋の経営が難しくなり、店を閉めざるを得なくなっても、それはもう古本屋としては受け入れざるを得ないことなのかと思う。その程度の心構えで古本屋をやっているのかと言われそうだが、でもその時には必死に生き残る道を探るつもりではある。


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Posted by 南宜堂 at 00:13│Comments(0)古本屋の日々

 
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