2008年11月16日
一炊の夢
盧生(ろせい)という青年が、邯鄲で道士呂翁から枕を借りて眠ったところ、富貴を極めた五十余年を送る夢を見たが、目覚めてみると、炊きかけの黄粱(=大粟)もまだ炊き上がっていないわずかな時間であったという「枕中記」の故事。人生の栄枯盛衰のはかないことのたとえ。
バブル期のことでいえば、弾けた後にあれがバブルだったのかといういう思いがありました。まさに「一炊の夢」でした。不動産がやたらに値上がりして、日本の企業が世界の土地を買い漁り、世界中の美術品を競ってオークションで落札するという、本業そっちのけで踊り狂っていた時代でした。企業にとってものを作らないでも儲けることができるのだとしたら、誰が好きこのんで額に汗してものづくりに励むのかということだったのでしょう。
バブルが弾けたことでものを作らないでギャンブルのようなことに熱中していた怖さというのは身にしみたのでしょう。しかし、最近の日本の企業は今度はいかにものを安く作るかに狂奔しているように見えます。生産拠点を海外に移してコストを抑えることを手始めに、国内では小泉内閣の規制緩和政策に乗って、派遣、請負を増やして人件費の削減につとめる。国際競争力をつけるという大義名分はあるものの、何か人の分まで奪って自分だけいい思いをしている企業の経営者の人格を疑ってしまいます。
ネットの動画サイトでは共産党の志位和夫委員長の国会質問がものすごい反響であるといいます。主に派遣労働の非人間性を衝いたものでした。丹念に事例を挙げていたのがまた共感を呼んだのでしょう。こういう実態が一部のものであれば、これほどにネットで話題になることもないわけで、若者の間には未来への不安が大きいのだと思います。小手先の定額給付金なんぞでごまかさず、日本の若者の将来にしっかりとした方針を示し、実行してくれる政治よ起これ、という思いです。
バブル期のことでいえば、弾けた後にあれがバブルだったのかといういう思いがありました。まさに「一炊の夢」でした。不動産がやたらに値上がりして、日本の企業が世界の土地を買い漁り、世界中の美術品を競ってオークションで落札するという、本業そっちのけで踊り狂っていた時代でした。企業にとってものを作らないでも儲けることができるのだとしたら、誰が好きこのんで額に汗してものづくりに励むのかということだったのでしょう。
バブルが弾けたことでものを作らないでギャンブルのようなことに熱中していた怖さというのは身にしみたのでしょう。しかし、最近の日本の企業は今度はいかにものを安く作るかに狂奔しているように見えます。生産拠点を海外に移してコストを抑えることを手始めに、国内では小泉内閣の規制緩和政策に乗って、派遣、請負を増やして人件費の削減につとめる。国際競争力をつけるという大義名分はあるものの、何か人の分まで奪って自分だけいい思いをしている企業の経営者の人格を疑ってしまいます。
ネットの動画サイトでは共産党の志位和夫委員長の国会質問がものすごい反響であるといいます。主に派遣労働の非人間性を衝いたものでした。丹念に事例を挙げていたのがまた共感を呼んだのでしょう。こういう実態が一部のものであれば、これほどにネットで話題になることもないわけで、若者の間には未来への不安が大きいのだと思います。小手先の定額給付金なんぞでごまかさず、日本の若者の将来にしっかりとした方針を示し、実行してくれる政治よ起これ、という思いです。
Posted by 南宜堂 at
23:20
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