2007年07月28日
信州の七不思議
昨日紹介した「Hamidas」の中に信州の七不思議というのが載っています。面白いので引用させていただきます。
1 海遠くして塩辛きを好む
2 水清くして面洗わず
3 木多くして生木を焚く
4 茶の木なくして茶を好む
5 良き仏あれど仏心少なし
6 畑少なくして子だくさん
7 ことわり多くして事進まず
そんな馬鹿なと思われる方も多いとは思いますが、江戸時代の話ですから大目にみてやってください。善光寺に修行に来ていた越後の僧月性という人が信州の印象として書き残したものだということです。
当たっていると思うものもあれば、違うよというものもあるでしょう。あくまでもよそから来た一人の坊さんの印象ですから。ただ、ひとつひとつは詮索しないとして全体に「朴訥である」という印象が伝わってくるように思われるのですがどうでしょうか。
実際信州人は江戸の人たちには椋鳥といわれていたようでそんな川柳がいくつか残っています。また、大食らいという印象もあったようです。腹一杯食べさせれば一生懸命陰日向なくはたらくというのが江戸時代の信州人の代表的な姿でした。
そんな伝統は明治になっても引き継がれ、勤勉なのは働くことだけでなく勉学にも生かされ、優秀な政治家はなかなか出ないけれど優秀な学者を多数輩出したのが長野県でした。
何十年か前、車で新潟県に行くとまず道が立派なのに驚かされたものです。さすが角栄さんの地元だわいと思ったものでした。そういうことに対してうらやましいという思いはなかったとは言いませんが、一方で「おらっちはこれでいいんだ」という矜持といったらいいのでしょうか清貧であることへの誇りのようなものも感じていたのです。
それがいつの頃からか信州も道がよくなり、高速道路が走り、新幹線までできてしまいました。そうなってくると利益誘導型の政治はあたりまえのこととして信州でも受け入れられるようになりました。信州らしさというものがまたひとつ消えてしまったようでなんともやりきれません。
Posted by 南宜堂 at 23:23│Comments(0)