2011年09月25日

一転、一箱古本市参加者の弁明。

 遊歴書房が主催した一箱古本市も盛況のうちに終わり、私も大いに楽しませていただいたのだが、出ない宣言をしておきながら出店してしまったという、格好悪さがあった。
 古本市が終わって、もう開催の邪魔ということにはならないと思うので、書くべきことは書いておこうと思う。来年も一箱ということを考えているのなら、多少は参考になろう。
 昨日、店に北島書店さんが見えた。昨日の古本市のことが気になってということであった。昨日も書いたように北島さんはこの辺の古本屋の中では一番のベテランである。盛況であった旨をお伝えしたら、それはよかったと喜んでおられた。スタンプラリーの効果か北島さんの店にも、普段来ない若い女性が何人も来られたという。光風舎にも地図を持って来店された方が数名いたと共同経営者が話していた。
 売り上げには繋がらなかったにしても、普段入りにくいウチの店や北島さんの店に入っていただいただけでも今後につながる効果である。古本屋地図を作ってくれた遊歴さんには大いに感謝しなければならない。スタンプラリーをやるかどうかは別として、この地図は毎年改訂していきたいねと北島さんと話した。
 もう一つ、北島さんと私たちの意見が一致したのは、来年以降も続けるなら遊歴書房単独の主催では続かないだろうということだった。実行委員会方式にすべきだろうというのである。私が最初不参加を決めたのは、遊歴書房の単独主催であることと、会場として彼がカネマツの倉庫にこだわったからだ。
 遊歴書房さんにしてみれば、時間ばかりかかって前へ進まないような話し合いを重ねるよりは、自分が突っ走って、続きたいものはついてくればいいという考えであったのだろう。結果はその通りになって、あとから8軒の店がついて行くという形になった。しかし、これでは資金的にも感情的にも長続きしないのではないか。時間をかけても話し合いをし、それでも一緒にやりたくない人ははずれればいいのだ。
 そんなことにこだわるのは、私のかねてからの持論なのだが、長野の古本屋が1軒の大きな古本屋のように機能するということが共存の鍵であると思うからだ。これは各書店にとってということではない。あくまでも読者にとってそのように見えればいいということである。
 古本好きは欲張りである。長野の古本屋のどこも1軒では彼らの欲望を満たすことはできない。それが今回の地図のように12軒もあるのだということになると、場合によっては遠方からでも行ってみようかという人も現れるかもしれない。 12軒全てを回ってもらうということは無理かも知れないが、若い女性なら、チャンネルとひふみよと行って、もしかしたら間違えて光風舎にも来るかも知れない。場違いと思っても、たまたまタルホを買ってしまうかも知れない。ありがたいことである。
 だから、年に1度のお祭り(古本市)ならば皆でズクを出し、お金を出して盛り上げようではないかと、私は思うのである。南陀楼さんが谷根千で一箱をやりたいと思ったのも、おそらくは谷根千という魅力的な地域の中に古本市を溶けこませたいという思いがあったからだと思う。トークの中でも、今後の長野の古本市の課題として、何カ所かを回遊することを提案しておられた。
 せっかく遊歴書房さんが火をつけてくれた祭りである。絶やさないようにしたいと思う。昨日、北島さんは春にももう一回やってもおもしろいんじゃないかとも言っておられた。ぜひそうしましょう。
  

Posted by 南宜堂 at 10:12Comments(0)古本屋の日々